Graduate School of Engineering, Kobe University

はじめにOrganization

神戸大学大学院工学研究科・工学部は常に時代の最先端を見つめ、教育・研究のあり方をよりよいものにすべく努力を続けています。

研究科長あいさつ

Message - 工学研究科・工学部へようこそ -

工学研究科長 工学部長
藤井 稔 MINORU FUJII

神戸大学工学部は、「学務と実務の両立とこれを支える自主的研究の尊重」を掲げて1921年に設立された旧制神戸高等工業学校(建築科、電気科、機械科)を前身としています。設立以来、時代の要請を受けて次々と新たな学科を創設し、設立100周年を迎えた2021年には、建築学科市民工学科電気電子工学科機械工学科応用化学科、情報知能工学科の6学科を擁する神戸大学で最大規模の学部に発展しました。その間に3万余名の卒業生を輩出し、その多くが、技術者、研究者、経営者として国内外の企業、大学、公共機関等で活躍しています。2025年に情報知能工学科がシステム情報学部として独立し、工学部は5学科体制になりましたが、前身校から受け継いだ信条と設立以来の伝統である自由闊達な気風は、今後も変わることはありません。

工学(Engineering)とは、数学、自然科学のみならず、医学、農学、社会学、経済学等の知見をもとに実社会の問題を解決し、人類社会の持続的な発展に貢献することを目的とする学問分野です。工学部では、「科学・技術の開拓と社会への涵養」を研究理念として工学研究を推進しています。以前の「工学」は「モノ(物)づくり」とほぼ同義語でしたが、現在ではモノが生み出すコト(機能や効用などの価値)を重視し、価値創造の仕組やプロセスの構築を含む「コト(事)づくり」までが工学の使命であると考えられています。そのため、「創造性を育む価値観の形成」を工学部の教育理念とし、高い創造性と広い価値観を持つ人材の育成に努めています。さらに、「コトづくり」の究極の目的である「誰もが幸福な未来社会の実現」を目指して、「世界とつながる『知』の拠点、神戸で ものづくり、ことづくり、そして ずっと続くしあわせづくり」を、設立100周年以降の新たな100年のビジョンとしています。

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工学部では、基礎から応用へと体系化されたカリキュラムにより工学の各分野の基礎を学んだ後、卒業研究において最先端の研究に携わります。それにより、「背景を調べ、課題を把握し、解決方法を考察し、実験・シミュレーションを行い、得られたデータから有意な情報を読み取り、議論し、研究発表を行い、論文にまとめる。」という科学のすべての分野で求められる能力を養います。神戸大学工学部の卒業生は社会から高く評価されています。大学院組織である工学研究科には、工学部の各学科に対応した5つの専攻に加えて、専攻を横断する8つの附属研究センターが設置されています。専攻・センターが新しい学術領域の創出を見据えた最先端の研究を行い、優れた成果を生み出しています。学生は、大学院において最先端の研究を主体的に行うことにより、専門知識をさらに深化させるとともに、技術者・研究者としての素養を磨きます。

工学部・工学研究科で学んだ皆さんが、豊かな教養と高い倫理観を持つ世界に誇れる技術者・研究者に育ち、誰もが幸福な未来社会の実現に向けて活躍されることを期待しています。自然に囲まれた神戸大学工学部キャンパスで皆さんと共に過ごすことを楽しみにしています。