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工学研究科

機械工学専攻専攻・学科HP

ものづくりイノベーションへの挑戦

産業革命以降,約250年にわたって近代的な機械工業が発展してきましたが,それを支える基礎学問として機械工学は進化を遂げてきました。

日本の高度成長を支えてきた“ものづくり”は,今でこそ世界のトップレベルにありますが,この技術は機械工学を専攻した多くの技術者,研究者が創意工夫を重ねてきた技術の集大成です。

しかし,大量生産と大量消費を前提とした機械工業の発展は,地球規模の環境問題を引き起こしています。

地球温暖化の問題ではCO2の削減や省エネルギー,レアアースの問題では代替材料の開発や資源の有効利用といった対策が求められ,リサイクルやリユースを前提とした“ 持続可能なものづくり”への転換が迫られています。

また,エネルギー開発や資源探査では宇宙や深海,大深度地下といった未知の領域が対象となり,高齢化対策では知能ロボットやアシストデバイスを用いた製造現場における作業支援や一般社会における生活支援が求められるなど,機械工学の守備範囲は多様化しています。

機械工学科/機械工学専攻は,これまでの機械工学の範疇にとどまらず,バイオ,医療,福祉,健康,電気,電子,情報,通信といった幅広い分野と連携しながら,ものづくりイノベーションに挑戦していきます。

機械工学専攻の教育の特色

機械工学専攻の教育はますます多様化、拡大する社会の要求に対応して、わが国の基盤産業を支え、将来の科学技術の発展を担う高度な機械技術者並びに独創的な研究者を育成することを目的としています。

本専攻では環境、エネルギー、ナノテクノロジー、ロボティクス、設計・生産システムなどのハードウェアとソフトウェアの両面から、先端的かつ高機能化された多数の要素技術を統合・融合することにより、社会や環境との調和を保ちつつ、高度に複雑多様化した機械システムの設計、製造、制御まで幅広く機械及び関連する分野の教育研究を行います。

博士課程前期課程では、高度な専門基礎学力と基礎的研究開発能力を兼ね備え、将来社会のリーダーとなるべき倫理観と国際感覚に富んだ人材を養成するとともに、博士課程後期課程では学際的センスを身につけ、独創的な研究・開発を遂行することができる人材を養成します。

このため、機械工学専攻に熱流体エネルギー、材料物理、及び設計生産の3講座を設置します。

専攻(大学院)カリキュラムの特色

本専攻は、応用流体工学、混相熱流体工学、エネルギー変換工学、エネルギー環境工学、固体力学、破壊制御学、材料物性学、表面・界面工学、複雑系機械工学、機械ダイナミックス、コンピューター統合生産工学、知能システム創成学、創造設計工学の教育研究分野から構成され、幅広い教育と研究に対応しています。

高度に発展した機械工学のすべての学問領域に関して開講されている講義の中から、専門分野に応じてそれらを系統的に選択・受講することにより、最先端の機械工学のあらゆる分野の基礎理論から高度な応用に至る広範な知識を得ることができるようカリキュラムを構築し、柔軟性ある教育を行っています。

また,機械工学全般にわたる基礎事項をエンジニアの常識として修得できるよう専門分野以外の講義についても自発的に受講するように啓発しています。

さらに、学外の非常勤講師による実践的な内容の講義を通じて、基礎理論の応用・実用化の実際を直に学ぶことができるよう考慮されています。

本専攻の大学院生は全員いずれかの研究分野の構成員となり、それぞれ独自の研究を行います。指導教官との対等な立場での討論を通じて独創的な研究の進め方、また卒業研究生との共同研究を通じて研究指導の実際を体得します。

このような研究活動を通して完成させた研究は、修士論文としてまとめると同時に積極的に学内外で発表し、その成果が問われます。

講座構成・研究の紹介

「熱流体エネルギー講座」

エネルギーの有効利用・創成とよりよい環境を目指し、複雑多様な熱流体現象の機構を理論的・実践的・数値的に解明することにより、熱・流体エネルギー機器の信頼性向上とエネルギー変換の高効率化をはかり、循環型社会の実現に資する要素技術とシステムに関する教育研究を行っています。

そして本講座は、応用流体工学、混相熱流体工学、エネルギー変換工学、エネルギー環境工学という4つの研究分野で構成されています。

「材料物理講座」

固体の構造、組成、力学特性等をマイクロ、メゾ、ナノの階層から理論的及び実験的に解明すると共に、これらの有機的な相互作用を構築してその機能・強度・安定性の評価を行っています。また、表面及び界面の高機能化を発現させるナノテクノロジーを視野に入れた教育研究を行っています。

そして本講座は、固体力学、破壊制御学、材料物性学、表面・界面工学研究分野という4つの研究分野で構成されています。

「設計生産講座 」

持続可能で活力ある次世代型社会システムの構築に必要な技術基礎を、人工物の設計・生産・運用・再利用の観点から確立することを目的に、機械要素技術、機械システム、社会システムなどのミクロからマクロまでの幅広い現象に対して、システム設計・解析、知能ロボット、制御理論、創発システム、次世代加工技術などとそれらの統合化に関する教育研究を行っています。

そして本講座は、複雑系機械工学、機械ダイナミックス、コンピューター統合生産工学、知能システム創成学、創造設計工学研究分野という5つの研究分野で構成されています。

機械工学科・機械工学専攻は下のような3つの講座から構成されています.




熱流体エネルギー講座の研究紹介




材料物理講座の研究紹介




設計生産講座の研究紹介

国際交流

機械工学専攻では、外国人教員の雇用、招聘、教員・学生の研究交流,留学生の受け入れを積極的に推進しています。

現在,アメリカ(2カ国以下同様)、アジア(5)、ヨーロッパ(10)、アフリカ(2)などを代表する大学、国立研究機関等において教授・准教授等として、あるいは共同研究、集中講義、大学院生の交換・指導、博士論文審査、国際会議共同開催、国際共同研究の企画、学術書・学術論文共著等多様な形式の研究交流を行っています。機械工学専攻には、アジア(9)、ヨーロッパ(3)等からの留学生が在籍しています。

マレーシア、韓国からは協定によって一定数の学部学生が毎年入学し、オランダ、スウェーデン、フランス他からは、学部の特定の講義を受講する学生が毎年複数人入学しています。受入数に比して数は少ないですが、アメリカ、ヨーロッパ等の本学との連携校に留学する大学院生の数は増加傾向にあります。本専攻の学生の国際会議への参加講演数は急増しています。

本専攻を修了した留学生の活動範囲は極めて広範であり、インドネシア、カナダ、韓国、シリア、中国、タイ、チュニジア、マレーシア他では母国の大学の副総長、教授、准教授等、国立研究所他で上級研究員として、あるいは企業において、研究の推進と後進の育成、技術革新に指導的役割を果たしています。

また、日本国内の大学、研究所あるいは企業に在籍し、活躍している卒業生も多数おられます。

卒業後の進路

重工業、電機、自動車関連企業はもちろんのこと、情報・通信、電力、素材、建設、食品などあらゆる産業分野において、研究、開発、設計、生産、維持、管理のための有能な機械技術者が求められており、機械工学科および機械工学専攻には毎年数多くの企業から求人の依頼があります。

このような企業に就職した卒業生、修了生は、時代の牽引していく中心的な人材として活躍しています。

学部卒業者の多くは、より高度な研究・教育を希望して大学院工学研究科に進学しています。

大学院工学研究科博士課程前期課程には卒業生の7割超が進学しており、全国的にも高い進学率を示しています。

同博士課程前期課程修了者の1割程度は、工学研究科・博士課程後期課程に進学し、さらに高度な教育を受けるとともに、独創的な研究を行っています。

博士課程後期課程修了者は、大学、研究機関、民間企業等で教育、研究、開発、生産など多岐にわたる分野で活躍しています。

海外からは多くの留学生を受け入れており、彼らの多くは、学部・大学院で得た基礎および専門知識をもとに母国の産業発展に大きく貢献しています。

主な就職先
三菱重工業 スズキ オリンパス 凸版印刷
住友金属工業 キヤノン 東京ガス 新日本製鐵
マツダ オムロン キャタピラージャパン 本田技研工業
パナソニック 日本原子力発電 JFEスチール デンソー
富士通 小松製作所 トヨタ自動車 三洋電機
四国電力 神戸製鋼所 ヤマハ発動機 関西電力
クボタ 東芝 シャープ ダイキン工業
川崎重工業 ダイハツ工業 リコー 島津製作所
三菱電機 ソニー 大阪ガス

Message 在学生・卒業生からのメッセージ

木下 裕貴子
(2007年博士課程前期課程修了)


開発した電気自動車
リーフと一緒に

こんにちは。私は2007年3月に博士課程前期課程を修了し、現在は日産自動車株式会社に勤めています。

会社ではEVエネルギー開発本部に所属し、電気自動車の動力源であるリチウムイオンバッテリーの開発、設計を行っています。

2010年12月に初めて開発に携わったクルマ”LEAF” が発売されました。
日産リーフは走行中にCO2を排出しない100%電気自動車です。

この電気自動車の開発に携わる中で、電気や化学の様々な知識も必要でしたが、モノづくりの基礎となる力学や工学を、大学で学べた事は大変有意義だったと思っています。

働きながら勉強する事もまだまだたくさんありますが、基本の考え方を身に着けておくことが重要だと感じています。

開発時、悩むことも多くありましたがリーフを発売でき、充実した気持ちです。
今は、街中で走るリーフを見かける事を楽しみにしています。
皆さん自分の成りたい将来像を描いてみて下さい!


岩野 優樹
(2005年博士課程後期課程修了)


日本機械学会ROBOMEC 03
講演会にて(函館)

私は、平成17年3月に博士課程後期課程を修了し、現在は明石高専で講師をしています。

学生時代は、機械工学科の研究室で毎日朝から晩までレスキューロボットの研究開発を行っていました。

ロボットの製作には、材料を切ったり穴を開けたりする機械加工が必要不可欠ですが、機械工学科は実習工場の設備も充実していて技官の方達には親切丁寧に教えて頂きました。

学科のカリキュラムの中でも様々な機械実習があり、特に鍛造実習は他の大学ではめったに体験できないものだと思います。

また、教員の専門性もバラエティに富んでいて学科の中でも様々な分野の勉強ができます。
ここ数年校舎の改装も行われたので、新しく充実した設備の中で講義を受け研究に集中できるはずです。

興味のあることには積極的に挑戦し、少しでも早く自分のやりたいことを見つけて、それに没頭し、未来のエンジニア目指して頑張って下さい。

TOPICS 機械工学研究トピックス

当専攻/学科では,機械工学に関する様々な先端的研究が行われていますが,ここではその中から各講座より一つずつ研究トピックスをご紹介します

熱流体エネルギー講座

応用流体学研究分野
応用流体学研究分野

格子ボルツマン法という連続体である流体の挙動を離散的なモデル粒子の併進と衝突により模擬する方法があります。

これはその手法を用いて行った円柱から放出されるエオルス音の伝搬に関するシミュレーションです。

表面・界面工学研究分野

新規開発中の高温材料の元素分布分析の例です。
高温に曝されたことにより金属 材料の表面に錆が生成しますが、それに伴い内部の元素分布の様子も変化します。

燃料の燃焼ガスのような高温のガス環境下でも錆びることなく優れた機械的 特性を示す材料を開発することによって、航空機用ジェットエンジンや発電用ガスタービンの安全な運転と消費燃料の低減に貢献しようとしています。

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設計生産講座

ナノメートル(10-9m) サイズの文字やパターンを基板上で自由自在に描画できるマイクロマシンです。

例えるならば、極微小な万年筆です。最先端技術によってセンサとアクチュエータが搭載された、この万年筆は、ペン先の動きと力を制御することができます。

次世代のナノマシンを開発するための、低コストかつ簡易なナノ・パターニングシステムとして利用されます。

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