Graduate School of Engineering, Kobe University

研究活動Activity

「社会に要請に応える新しい科学技術」に関する研究を推進するために機動性のある研究体制を構築しています。

2024年09月25日

機械工学専攻・村川准教授が日本混相流学会 2023年度論文賞を受賞しました

202495日、「超音波トモグラフィ法を用いたガリウム合金中を上昇する気泡鎖の断面分布に及ぼす水平磁場の影響解明」の業績により、機械工学専攻の村川准教授が日本混相流学会 2023年度論文賞を受賞しました。本業績は、以下の論文を対象に評価されたものです。

・Effects of a horizontal magnetic field on the cross-sectional distribution of gas bubbles chain rising in a gallium alloy (https://doi.org/10.1016/j.ijmultiphaseflow.2023.104649)
・Development of a high-speed ultrasonic tomography system for measurements of rising bubbles in a horizontal cross-section (https://doi.org/10.1016/j.measurement.2021.109654)

 

 

【研究内容】

 不透明な液体金属中の気泡挙動を実験的に評価することは、非常に困難です。そこで本研究では、断面気泡分布を1ミリ秒の時間分解能で計測可能な超音波トモグラフィ法を開発することで、ガリウム合金中を上昇する単一気泡鎖の挙動に及ぼす、水平磁場の影響を実験的に評価可能としました(図1)。その結果、上昇する気泡間の距離が短い条件で水平磁場を印加すると、気泡の断面通過位置が磁場と直交する方向において、わずかに分布することを明らかにしました(図2)。これは、磁場と平行または直交する方向において、気泡後流の三次元構造が異なることを示唆する実験データであり、連続鋳造プロセスの最適化に寄与するものです。さらに、開発した超音波トモグラフィ法を用いて、高速増殖炉の安全性評価に必要な液体ナトリウム中の気泡挙動評価を進めています。

 

         

図1:超音波トモグラフィ法で計測したガリウム         図2:気泡通過位置(重心)の断面分布       
   合金中を上昇する気泡の時系列分布 

 

関連リンク:
神戸大学大学院工学研究科機械工学専攻 http://www.mech.kobe-u.ac.jp/
村川 英樹 researchmap https://researchmap.jp/read0163533
日本混相流学会 HP  http://www.jsmf.gr.jp/gakai_11.shtml